読んだ論文のメモ。The effect on tipping of a waitress touching male and female customers

今回もMidas touch関連の研究。以前にメモしたMidas touchの研究は性差があまり考慮されていなかったけど、アメリカで性差の影響はどうだったか、を調べた研究。2ページなので読みやすかったけど、思ってたんとちがう・・・。

スポンサーリンク

タイトル:
The effect on tipping of a waitress touching male and female customers

論文誌名:
The Journal of Social Psychology, 1986.

著者:
Renee Stephen, Richard L. Zweigenhaft.

これまでの課題:
過去のMidas touchの研究では、性差に関する検証が余りなされていなかった。そこで、アメリカでMidas touchの実験を再現しつつ性差を考慮するとどうなるか、を調べた。

課題を解くために何をしたか:
アメリカのノースカロライナで、レストランに来た人たちにウェイトレスが触れることでチップの割合にどんな影響があったか、を調べた。アメリカでは、男性は女性に比べて触れられることにあまり好意的な反応を返さないという研究があることや、男性と女性のペアで来た場合にウェイトレスが男性に触ると否定的な印象を受けるのでは、といった考察から、男性への接触によるMidas touchの効果が弱くなる仮説を立てている。

実験と結果の概要:
アメリカのノースカロライナにあるレストランで実験。被験者は112組で、男性と女性1人ずつのペアのみを対象としている。すなわち、1人で来た客や男性のみ・女性のみグループ、3人以上のグループを除外している。

実験条件は3つで、28組はウェイトレスが女性に触れる、28組は男性に触れる、56組はどちらにも触れない、というもの。チップの割合は、女性に触れる条件が15%、男性に触れる条件が13%、触れない場合が11%となり、条件間に有意差が見られたので多重比較を行った。その結果、女性に触れる条件は、触れない条件よりも有意に高いことが示されたが、それ以外の条件の組み合わせでは有意な差は見られなかった。

以下は個人的な感想で、論文中に言及されたものではないのであしからず。

感想:
性差を調べたのだと思って読んでみたら、男女のペアに対するウェイトレスのタッチ、というちょっとひねった条件だった。一人で来た男性客・女性客に店員が触れた場合の影響を素直に調べなかったのはなぜだろう?とはいえそういう研究はありそうだから、また調べてみるつもり。

オリジナルのPDFはこちら

スポンサーリンク


スポンサーリンク

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です